プリムラ・アルピコラ

 
ブータンやチベット中国西部のサクラソウです。
海抜3600〜4600mの高山の湿原や草原の中の流れのそば、針葉樹林帯の開けた草地などに自生しています。
中国名は頂花報春と言うそうです。
 
葉は根生葉のみで、長楕円形から楕円形で、長い葉柄と鋸歯があります。
菜の花のようなライムグリーンの柔らかそうな葉です。
 
晩春に30～60cmになる長い茎を伸ばし、茎頂に散形花序に径2.5㎝ほどの広漏斗形の花を数個の花を咲かせます。
つぼみはうつむき加減に着きますが、開くにつれて上を向いてきます。
小花梗は柔らかいようで、この後花の重みでたわんでしまいました。
花色は紫色や白色または黄色の花を咲かせます。
白花といってもクリーム色のフラットな色調で趣があります。
 
紫色の花をつけるものは、不思議なことにプリムラ・アルピコラ・ビオラケア（Primula alpicola var. violacea）という変種として扱われます。
普通は花色の違いでは変種という扱いはされません。
紫花種といえど花色は紫だけでなくピンクや赤の花をつけるものも含みます。
 
変種ということでみれば、
クリーム色の花はPrimula alpicola var. luna（or var. alpicola）
白花種はPrimula alpicola var. alba
という変種名を持ちます。
 
英名はmoonlight primroseで、クリーム色の花を指しているものと思います。
Primula alpicola var. lunaも「月の」という変種名です。
 
 
HP初出：2005/4
春〜夏
花色：白